本日もご来店ありがとうございました
今日は【発掘】奇跡の「新車」!
1983年 FXDG Disc Glide Willie G. Specialを整備する!
ハーレーフリークの皆様、こんにちは。
本日は、作業場のピットから「正真正銘の希少な車両」をご紹介します。
ショベルヘッド末期、1983年。
エボリューションの足音がすぐそこまで迫っていたこの年に、
たった1年だけ作られたモデルがあります。
それが今回ご紹介する FXDG ディスクグライド。
通称「ウィリーG スペシャル」です。
生産台数は810台。資料によって750〜900台と諸説ありますが、
いずれにしても1000台に届かない、
FXDG Disc Glide “Willie G. Special”。
しかも……なんと「新車(未登録・未走行)」の在庫車です。
ショベルマニアならこの響きだけで白飯3杯はいけるのではないでしょうか。
現在、公道へ解き放つべく、各部の油脂類交換からデリケートな
初期セットアップまで慎重に整備を進めております。
FXDG Disc Glideとは何だったのか?
1983年といえば、ハーレーダビッドソンがAMF傘下から脱却(バイアウト)を
果たした直後の、まさに熱狂と変革の過渡期。
その中で、ウイリーG(Willie G. Davidson)自らがデザインを手掛けた
ファクトリーカスタムがこの「FXDG」です。
マニアの間で語り継がれる本車両のツボをいくつか挙げてみましょう。
Disc Glideの名の由来:
リアのディッシュホイールフロントはクラシカルなスポークでありながら、
リアにはソリッドなアルミキャスト「ディッシュホイール」を採用。
この独特の後輪デザインこそが「Disc Glide」のアイコンです。
深みのあるオリジナルのマルーンカラータンクやフェンダーを
彩る独特のダークマルーン(Burgundy/Gold line)。
ウイリーGらしいシックで重厚なカラーリングは、
現存するオリジナルペイントの個体でもなかなかお目にかかれません。
ショベルヘッド末期「1340cc(80ci)+ベルトドライブ」
80年代初頭のショベル完成形とも言える仕様。
プライマリー・セカンダリーともにベルト駆動化が進められた時代の
過渡期スペックで、信頼性とショベル特有の鼓動感が絶妙なバランスで共存しています。
メッキを使わない」という美学
普通、特別仕様車といえばメッキを増やしてギラギラさせるもの。
ところがFXDGは真逆です。
外装は深いオックスブラッド(暗い赤)で塗られ、
ダッシュやプライマリーカバーも同色。
フレームはブラックのパウダーコート。
エンジン、ミッション、インナープライマリーは黒のちぢみ塗装と
グロスブラックで仕上げられ、本来メッキになるはずの部品の多くも黒。
カラーは一色のみ。
色はメタリックマルーンだけで、日差しの下で見ると驚くほど美しいと言われます。
実際、光の当たり方で赤にも茶色にも見える、
なんとも言えない深みのある色です。
タンクには1919年当時のハーレーのロゴがあしらわれ、
ウィリーGらしいクラシックへの敬意が感じられます。
「新車」を今、目覚めさせるという贅沢タイムマシンで
1983年のミルウォーキー工場からそのままタイムスリップして
きたかのようなこの個体。
40年以上の時を経て一度も本格的に走行していないため、
塗装のツヤはもちろん、クロームやアルミ地の質感、
細かなボルト類のオリジナル度合いまで、
資料集のグラビアから飛び出してきたかのような神々しさがあります。
「新車時のフィードバックをそのまま現代の道路で体感できる」
そんな一生に一度レベルの奇跡体験を味わえる
オーナー様が本当にうらやましい限りです。
週末になりますね!
今週も沢山のご来店をお待ちしております